譲渡原価について教えて下さい。

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譲渡原価について教えて下さい。

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譲渡原価については以下の通りです。

 譲渡原価とは、有価証券の譲渡損益の計算上、譲渡対価から差し引く金額をいい、「譲渡原価=1単位当たり帳簿価額×譲渡単位数」として計算します。具体的には、有価証券を売買目的有価証券、満期保有目的等有価証券、その他有価証券に区分し、かつ、有価証券の種類ごとに算定した算出方法(移動平均法又は総平均法)により、区分した後のそれぞれの銘柄ごとに1単位当たりの帳簿価額を算出し、譲渡した有価証券の数を乗じて譲渡原価を計算します。

取得価額の決定

 1単位当たりの帳簿価額は移動平均法又は総平均法により有価証券の取得価額を平均化して算出しますので、まず取得価額を決定する必要があります。有価証券を取得する一般的な方法として、上場株式等を証券会社を通じて購入するケースが考えられます。他にも、新たに設立された会社の株式を引き受ける場合、増資の割当てにより新株を取得する場合等があります。そこで法人税法は有価証券の取得価額の算定を取得の方法に応じて定めており、主要な取得の方法に係る取得価額の決定は下表の通りです。

取得の方法に応じた取得価額

取得の方法 取得価額の算定
購入した有価証券
(信用取引等又はデリバティブ取引による現物の取得を除く)
購入代価
(購入手数料その他その有価証券の購入のために要した費用がある場合には、その費用の額を加算した金額)(注)
金銭の払込み又は金銭以外の資産の給付により取得した有価証券
(③、新株予約権付社債の新株予約権の行使により取得の対価として交付された株式、適格現物出資による取得を除く)
払込金額および給付した資産の価額の合計額
(新株予約権行使による取得の場合は、新株予約権の行使直前の帳簿価額を含む。また、払込み又は給付による取得のために要した費用がある場合には、その費用の額を加算した金額)
有利な払込み・給付価額により取得した有価証券
(新たな払込み等をせずに取得した有価証券を含み、株主等として取得した株式又は新株予約権(他の株主に損害を及ぼすおそれがないと認められる場合に限る)、新株予約権付社債の新株予約権の行使により取得の対価として交付された株式、適格現物出資により取得した有価証券を除く)
取得時において取得のために通常要する価額

(注) 証券会社に対する購入手数料は取得価額に算入することになりますが、有価証券を取得するために要した通信費、各義書換料、外国有価証券の取得に際して徴収される有価証券取得税その他これに類する税については取得価額に含めないことができます。

1単位当たり帳簿価額

 有価証券の譲渡原価を計算するためには、1単位当たり帳簿価額の計算を行わなければなりません。税務上、1単位当たり帳簿価額の算出方法は、移動平均法と総平均法のいずれかによることとされており、売買目的有価証券、満期保有目的等有価証券、その他有価証券の区分ごとに、かつ、有価証券の種類ごとに算出方法を選定し、区分した後のそれぞれの銘柄ごとに算定した算出方法により、1単位当たり帳簿価額を計算します。なお、移動平均法または総平均法の選定については納税地の所轄税務署長に届出を行う必要があり、届出を行わなかった場合には法定の計算方法である移動平均法により1単位当たりの帳簿価額を算出します。

移動平均法と総平均法の内容

移動平均法 総平均法

有価証券をその銘柄(注)の異なるごとに区別し、その銘柄と同じ有価証券を取得する都度、その有価証券のその取得の直前の帳簿価額とその取得した有価証券の取得価額との合計額を、これらの有価証券の総数で除して平均単価を算出し、その平均単価をもって1単位当たりの帳簿か価額とする方法 有価証券をその銘柄(注)の異なるごとに区別し、その銘柄の同じものについて、事業年度開始の時において保有していた有価証券の帳簿価額とその事業年度において取得した有価証券の取得価額の総額との合計額を、これらの有価証券の総数を除して平均単価を算出し、その平均単価をもって1単位当たりの帳簿価額とする方法



1単位当たりの帳簿価額=(取得直前の帳簿価額+新たに取得した有価証券の取得価額)/(取得直前の数+新たに取得した数) 1単位当たりの帳簿価額=(期首帳簿価額+期中に取得した有価証券の取得価額の総額)/期首における数+期中に取得した数





N社株式の取得と譲渡があった場合の、③「期中譲渡30株」の譲渡原価の計算は以下の通りです。
(前提)                    
①前期からの繰越 100株(期首帳簿価額 10,000)
②期中取得 60株(取得価額 5,200)      
③期中譲渡 30株                
④期中取得 40株(取得価額 3,200)       
1単位当たりの帳簿価額=(10,000①+5,200②)/(100①+60②)=95
→譲渡原価=95×30株=2,850
1単位当たりの帳簿価額=(10,000①+5,200②+3,200④)/(100①+60②+40④)=92
→譲渡原価=92×30株=2,760

  • 取得都度1単位当たりの帳簿価額の計算を行うことから、有価証券の取得を事業年度中に多く行うような場合には、総平均法によった場合と比較して計算の手間がかかる
  • 譲渡原価を譲渡の都度確定することができる
  • 事業年度末に1度だけ1単位当たりの帳簿価額を算定すればよいという点で簡便的
  • 事業年度末にならないとその事業年度に譲渡した有価証券の譲渡原価が確定しない

(注)ここでいう「銘柄」とは、有価証券の売買目的有価証券、満期保有目的等有価証券、その他有価証券のいずれかに区分した後の銘柄のことをいいます。

1単位当たり帳簿価額の算出方法の届出

①1単位当たり帳簿価額の算出方法の選定と届出

 新たに有価証券を取得(適格合併又は適格分割型分割による被合併法人又は分割法人からの引継ぎを含む。)した場合には、その取得の日の属する事業年度の確定申告書(仮決算に基づく中間申告を行う場合は中間申告書)の提出期限までに、1単位当たり帳簿価額の算出方法(移動平均法または総平均法)を書面により納税地の所轄税務署に届け出なければいけません。  ただし、取得事業年度前の事業年度において既に区分および種類を同じくする有価証券を取得している場合は、既に適用している算出方法で1単位当たり帳簿価額を算出することになります。  なお、移動平均法または総平均法の選定は、売買目的有価証券、満期保有目的等有価証券、その他有価証券の区分ごとに、かつ、有価証券の種類ごとに行います。

②法定の計算方法としての移動平均法

 1単位当たり帳簿価額の算出方法の届出を行わなかった場合、あるいは届出た算出方法により1単位当たり帳簿価額を算出しなかった場合は、法定の計算方法である移動平均法により1単位当たり帳簿価額を算出することになります。

③1単位当たり帳簿価額の算出方法の変更

 選定した1単位当たり帳簿価額の算出方法を変更する場合には、新たに採用する算出方法をその採用しようとする事業年度開始の日の前日までに、変更する理由等を記載した申請書を納税地の所轄税務署長に提出し、承認を受ける必要があります。ただし、現在採用している算出方法を採用してから3年を経過していないときや、3年が経過していても変更することについて合理的な理由がないと認められるとき、またはその変更によっては課税所得の計算が適正に行われ難いと認められるときは、税務署長は申請を却下できるとされているため、注意が必要です。

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