
法人と役員との間で有価証券の低廉譲渡等を行った場合の法人側の課税関係について教えて下さい。
一般的には有価証券を譲渡して受取った対価が譲渡対価となりますが、例えば法人とその法人の役員との間で特別な事情により時価よりも低い価額又は無償で有価証券の売買等が行われるケースがあるかと思います。この場合、実際に受取った対価ではなく時価を基準に法人税を計算する場合があるので留意が必要です。
①法人から役員に譲渡するケース
法人から役員に時価よりも低い価額又は無償で有価証券を譲渡した場合、譲渡した法人側では時価と実際の取引価額との差額は損金算入が認められない場合があります。すなわち、時価と実際の取引価額との差額や役員に対する給与として取り扱われ、当該差額が毎月概ね一定額発生している場合等のケースを除いて、役員賞与として損金算入が認められない点に留意が必要です。
②法人が役員から取得するケース
法人が役員から時価よりも低い価額又は無償で有価証券を取得した場合、取得した法人側では時価と実際の取引価額との差額は受贈益として、法人税の課税所得計算上、益金の額に算入されます。