医療法人設立をする際に、自己所有の土地・建物を出資すべきですか? 賃貸借との違いは?

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医療法人設立をする際に、自己所有の土地・建物を出資すべきですか? 賃貸借との違いは?

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ご質問頂いた内容に関しては以下の通りです。

 昭和61年6月26日の厚生省健康政策局長通知の中では、

医療法人の土地、建物等は法人が所有するものであることが望ましいが、賃貸借契約による場合でも当該契約が長期間にわたるもので、かつ、確実なものである場合には差し支えないこと。

とされています。ご質問いただいたケースの場合、賃貸借契約を締結したとした場合も理事長本人所有の土地・建物の賃借となるため、「当該契約が長期間にわたるもので、かつ、確実なものである場合」に該当することは明確ですので、出資でも賃貸借でもどちらでも問題ないことになります。では、実際のところ、出資と賃貸借によってどのような違いがでてくるのでしょうか。

1.出資をした場合

 土地・建物を出資した場合の利点としては、その土地・建物の購入のための借入金については医療法人に引き継ぐことができるという点があげられます。  

 借入金を個人から医療法人に引き継ぐことにより、理事長本人の借入金返済の義務はなくすことができます。また、借入金の支払利息は法人の経費とすることが可能です。加えて、建物については減価償却費を計上することが可能になります。また固定資産税等も法人負担となることから、個人の負担はなくなり、法人の経費・損金を増やすことができます。

 一方で、不利な点としては、出資をすることにより、法人に不動産取得税、固定資産税等がのってきてしまうという点があげられます。代々受け継いできたような土地の場合だと、購入時に比べ現在の時価は高くなっているケースが多いはずです。この場合、出資をすることにより、土地の含み益(購入時と出資時の時価の差額)が発生し、その含み益に対して所得税の課税が行われます。

 補足ですが、土地・不動産が高騰したバブル時代に購入した土地などで購入時よりも値下がりしているような土地を出資することにより、購入時と出資時の時価の差額を給与所得等から差し引くという節税方法については、平成16年度税制改正により土地、建物等の譲渡により生じた損失の金額を土地、建物等の譲渡による所得以外の所得と通算すること(および翌年以降に損失を繰り越すこと)が認められなくなりました。ご注意ください。

2.賃貸借とした場合

 賃貸借とした場合の利点は、理事長本人は定期的に家賃収入を得ることが可能となります。これによりこの収入から土地・建物購入のための借入金を支払うことが可能となります。また、土地の含み益が存在しても課税関係は発生しません。

 一方で不利な点としては、適正な賃借料を算定する必要があることです。この賃借料が適正でない場合は課税関係が生じてしまう可能性があります。また独立行政法人福祉医療機構(旧社会福祉医療事業団)から借入れを行っているケースでは、所有者イコール使用者である必要があり、賃貸借による方法は認められていません。このケースでは、銀行等の金融機関がから借入れをおこし、独立行政法人福祉医療機構からの借入れを返済する必要があります。

 どちらを選んだほうがよいかは、個々の事例によります。一般的には土地・建物の両方を賃貸借とするか、建物は出資をして土地は賃貸借とするケースが多いようです。これは、やはり土地課税上の問題が大きくなるため、土地は出資しないほうが懸命は判断と考えるドクターが多いからではないかと思われます。

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