ヘッジ処理の会計・税務について教えて下さい。

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ヘッジ処理の会計・税務について教えて下さい。

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会計上および税務上、認められているヘッジ処理の方法は「繰延ヘッジ」と「時価ヘッジ」の2つです。これら2つのうちいずれを採用するかにより、会計処理が異なります。

1.繰延ヘッジ

 この方法は、当該デリバティブ取引等開始の時から事業年度終了時までの間において当該ヘッジ対象の譲渡もしくは消滅または受取もしくは支払がなく、かつ、当該デリバティブ等が当該ヘッジ対象資産等損失額を減少させるために有効であると認められるときに、ヘッジの効果が有効である部分につき益金または損金の額に算入せず、ヘッジ対象から生じる損益が計上されるまで「繰延ヘッジ損益」として繰延べる方法です。

 なお、以下で示している例はヘッジ対象を決済するまでヘッジの有効性が認められるケースですが、ヘッジ処理の中途でヘッジの有効性が失われた場合は、ヘッジの有効性が確認されていた直近の有効性判定時におけるデリバティブ取引等の利益又は損失の額と当該期末又は決済時における当該デリバティブ取引等の利益又は損失の額との差額(いわゆるヘッジの非有効部分)を当該事業年度の所得の金額の計算上益金または損金の額に算入し、当該益金または損金に算入した額は翌期に洗替処理を行います。なお、期末有効性の判定は、ヘッジ手段が決済されるまで継続して行われ、非有効部分については先と同様に益金又は損金の額に算入し、翌期に洗替え処理を行います。そして、有効性の認められる部分はヘッジ対象にかかる損益の計上される事業年度の所得の金額の計算上益金又は損金の額に算入されます。

 また、下表の「一般的なケース」ではヘッジ対象について特に触れませんが、税務上繰延ヘッジ処理が認められているヘッジ対象となるものは、法人税法および法人税基本通達に示されています。

「繰延ヘッジ」(一般的なケース)


会計処理 税務上の取り扱い
①ヘッジ対象購入・ヘッジ手段締結

(ヘッジ対象資産)×××

(現金等)×××

②期末時(有効性判定時)

(ヘッジ手段)×××

(繰延ヘッジ損益)×××

左記のヘッジ手段から生じた損益部分または一部は、

益金または損金の額に算入しない

③翌期首 洗替え処理は行わない
④ヘッジ手段の決済(有効性判定時)

(現金等)×××

(ヘッジ手段)×××

(繰延ヘッジ損益)×××

②で生じたものと合わせるた繰延ヘッジ損益を

ヘッジ対象の損益が計上されるまで繰延べる

⑤ヘッジ対象の決済

(現金等)×××

(売却損等)×××

(ヘッジ対象)×××

決済に伴い生じる損益は益金又は損金の額に算入する

(繰延ヘッジ損益)×××

(ヘッジ損益等)×××

繰延べてきたヘッジ損益は益金又は損金の額に算入する

※上表では、⑤を除きヘッジ手段にかかる会計処理を示しています。 ②期末時には、ヘッジ手段となるデリバティブ取引等の評価(みなし決済や時価評価等)を行い、生じた差額を「繰延ヘッジ損益」(貸借対照表項目)として繰延べます。 ③通常のデリバティブ取引等の場合は期末時に生じたみなし決済損益等の洗替えを行いますが、ヘッジ手段としてデリバティブ取引等を行う場合には、洗替え処理は不要です。

2.時価ヘッジ

 時価ヘッジとは、売買目的外有価証券の価額変動により生じる損失の額をデリバティブ取引等から生じる損益と対応させることによりヘッジをする方法です。

 売買目的外有価証券は原則として原価法もしくは償却原価法により期末評価を行うこととされていますが、時価ヘッジ処理を適用する場合には、期末またはヘッジ手段であるデリバティブ取引等の決済時において売買目的外有価証券を時価法により評価することになります。そして、ヘッジ手段であるデリバティブ取引等を行った時における当該売買目的外有価証券の時価と期末時又は当該デリバティブ取引等の決済時における当該売買目的外有価証券の時価との差額は所得の金額の計算上益金または損金の額に算入し、翌期首において洗替え処理を行います。すなわち、ヘッジ対象に係る損益とヘッジ手段に係る損益を同時に認識することにより両者が相殺され、ヘッジ処理の効果が反映させることになります。

 時価ヘッジの場合も繰延ヘッジと同様、ヘッジ開始時からその事業年度の終了時までにヘッジ対象の譲渡等を行わないことが前提となります。なお、有効性が失われた場合には、

①ヘッジ手段が未決済の場合
 ヘッジが有効であった部分については、当該事業年度の益金又は損金の額に算入し、翌期首に洗替える処理を引続き行い、また、ヘッジ手段が決済されるまで、継続して毎期末に有効性判定を行います。

②ヘッジ手段が決済された場合
 ヘッジ手段が決済された事業年度においてヘッジが有効であった部分を益金又は損金の額に算入し、翌期首には洗替え処理は行いません。また、ヘッジ手段が決済されているため、以後有効性判定も不要です。

③例外処理
 継続適用を条件として、次回以降の有効性判定を行わないこととし、かつ、洗替え処理を行わないことができます。

「時価ヘッジ」(一般的なケース)


会計処理 税務上の取り扱い

①ヘッジ対象購入

・ヘッジ手段締結

(ヘッジ対象資産)×××

(現金等)×××

②期末時

(有効性判定時)

(ヘッジ手段)×××

(デリバティブ損益等)×××

ヘッジ手段であるデリバティブ取引等から生じる損益は、

益金又は損金の額に算入する

(ヘッジ損益)×××

(ヘッジ対象)×××

ヘッジ対象の①の時点での時価と期末時の

時価との差額を益金または損金の額に算入する

③翌期首 ②の反対仕訳 ②で生じた損益は洗替え処理を行います

④ヘッジ手段の決済

(有効性判定時)

(現金等)×××

(デリバティブ損益等)×××

(ヘッジ手段)×××

ヘッジ手段の決済に伴い生じた損益は、

益金または損金の額に算入する

(ヘッジ損益)×××

(ヘッジ対象)×××

ヘッジ手段の決済時にヘッジ対象の時価評価を行う。

その際の評価損益は益金又は損金の額に算入する。

⑤翌期首 ※洗替え処理は行わない
⑥ヘッジ対象の決済

(現金等)×××

(決済損益)×××

(ヘッジ対象)×××

ヘッジ対象の決済に伴い生じた損益は、益金または損金の額に算入する

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