資金援助に伴う合併(assisted merger)
資金援助に伴う合併(assisted merger)とは
経営困難に陥った金融機関等を閉鎖に追い込まず、監督当局の資金援助をテコに合併斡旋・仲介を行う処理方式。金融機関の価値には、いわゆる営業権・「のれん」(goodwill)といった精算してしまえば無価値になってしまう部分が含まれるため、精算(ペイオフ)を行って預金保険金を支払うよりも、資金援助を付してでも他の金融機関に買い取らせる方が、全体としてコストが小さくなる場合がある。「資金援助を伴う合併」は原則としてこのような場合に発動される。もっとも、最終的にどちらのコストが低いかの評価には不確実な部分も多く、この方式が安易に発動されると、結果として、モラル・ハザードの問題を顕在化させることにもなりかねないという問題がある。