債務者利得
債務者利得とは
インフレ率が急激に上昇するような場合、名目金利は必ずしも直ちにインフレ率と並行的に上昇するとは限らないほか、既存債務の中には長期固定金利のものがあり、金利調整には相当の時間を要すること等から、借入等の債務の実質価値が減価しやすく、債務者に利得が生ずること。こうした債務者利得の裏側には、いうまでもなく債権者の損失があり、結果としてインフレは所得分配に悪影響を及ぼすこととなる。また、インフレに伴う債務者利得の発生は、借入を行って投資をした方が得とのインフレ心理を引き起こしやすく、こうした行動がさらにインフレを加速するという悪循環に陥りやすい点にも注意が必要である。