全額損金の定期保険の選び方

全額損金の定期保険の選び方

全額損金 定期保険の選び方

全額損金の定期保険は、どのような基準で保険会社や商品を決めればよいですか?

A. 解約時に現金でなるべく目減りしない(保険会社に取られない)保険商品を選びましょう

 逓増定期保険法人がん保険が1/2損金となり、新しい全額損金の節税保険として注目が集まっているのが全額損金の定期保険です。

 先行して販売されている生活障害定期保険も支払った保険料を全額損金とできる点では同じですが、生活障害定期保険には明確な税務根拠がなく、105歳ルールという保険特有の税務ルールを“応用して”全額損金算入扱いにしています。一方で、ご紹介させて頂いている全額損金の定期保険は、商品専用の税務ルールが存在します。明確な根拠をもとに保険料を全額損金算入とすることが可能です。これからの商品開発が楽しみな保険です。

 では、この全額損金の定期保険を活用していくうえで、どのよう基準やポイントをもって商品選択をしていけば良いでしょうか。全額損金の定期保険を選択する際に一番優先すべきポイントは、他の法人保険同様にやはり

▶「いかに解約時に現金で目減りしない(保険会社にとられない)か」


 という点です。法人専門の保険代理店や、保険に精通している税理士・経営者様はとにかく徹底的にこの点にこだわります。せっかく税金対策ができて法人税額が減らせたとしても、解約時に保険会社に取られてしまう割合が多ければ効果的な節税対策とは言えません。払い込み保険料に対する戻り率(解約返戻率)を可能な限り高くしていくことが本当の意味での節税対策が可能となります。

<定期保険解約時における目減り金額の例 年間保険料が500万円の場合>

全額損金
定期保険
30歳
男性
35歳
男性
40歳
男性
45歳
男性
50歳
男性
55歳
男性
60歳
男性
年間保険料 500万円 500万円 500万円 500万円 500万円 500万円 500万円
1年目 8.7% 9.1% 9.4% 9.5% 8.6% 7.7% 6.2%
2年目 54.2% 54.1% 54.4% 54.1% 52.8% 51.2% 49.6%
3年目 68.8% 68.6% 68.6% 68.1% 66.1% 64.6% 62.7%
4年目 76.5% 75.8% 75.4% 74.6% 72.3% 70.8% 68.5%
5年目 81.1% 79.9% 79.3% 78.2% 75.5% 73.9% 71.4%
6年目 83.9% 82.6% 81.4% 80.0% 77.0% 75.6% 72.5%
7年目 86.2% 84.1% 82.5% 81.0% 77.7% 76.2% 72.5%
7年解約時
目減り金額
483万円 557万円 613万円 665万円 781万円 833万円 963万円

例: 上記の表のように同じ全額損金の定期保険でも年齢や性別の条件によって 7年間で解約返戻金に最大 480万円の差が生じます。 商品選択を誤れば、税金より高いコストがかかることも。より有利な条件を求め比較検討をする必要があります。

 これは実際に販売されている定期保険の解約時戻り率の比較となります。年間保険料500万円で7年間契約を継続した場合(合計保険料3,500万円)、一番目減り額の少ない条件である30歳男性では目減り額が483万円(解約返戻金3,017万円)。一方で一番目減り額の大きい60歳男性の場合目減り額963万円(解約返戻金2,537万円)。その差は480万円になります。

 半分損金の法人保険商品と比較して、損金性の高い法人保険商品は解約返戻率が年齢や性別に大きく左右されがちです。幅広い選択肢の中でより有利な条件で保険導入ができるよう比較検討をする必要があります。

保険会社によって同じ逓増定期保険でも解約返戻率に大きな差がある理由とは?高い解約返戻率を実現できる理由

 銀行からの借り入れや住宅ローンなどで金利が2パーセント、3パーセント違うと言えば非常に大きな違いです。一方で、こと法人保険の解約返戻金となると、この数パーセントの差にあまりこだわらない経営者様は多くいらっしゃいます。ただし解約返戻率における数パーセントの差は、総払い込み金額に対する割合ですので、借り入れの金利同様に非常に大きな金額になります。

“実質返戻率”という、まやかしの数字にダマされない

 定期保険の解約返戻率を比較していくと解約返戻率と並列して“実質返戻率”という表現を見つけることができると思います。この実質返戻率は保険会社がより保険商品を売りやすくするための言わばまやかしの数値であり、判断基準には含まないようにしましょう

 この実質返戻率を簡単に言うならば、「保険料の損金効果によって少なくなった税金分を保険料から割り引いたとしたら、実質的には解約時にこれだけ多くのお金が戻ってきてるのと同じですよね」ということです。全額損金で年間保険料1,000万円(1年目解約返戻率6割=600万円)の保険に加入すれば、法人税400万円分を支払わなくて済んだわけですから、実質的には保険料は1,000万円ではなく、割引き後は600万円であり、解約返戻金は600万円ですから、つまり実質返戻率は100%になる。というカラクリです。

 しかし、実質返戻率には、解約時の法人税は計算されていませんし、そもそも全ての法人がまるまる40%の法人税がかかるわけではありません。実質返戻率は、保険会社が商品売りやすくするために設定した都合のよい、まやかしの数値ですので、判断材料に加えてはいけません。

 実際に戻ってくるのは実質返戻率ではなく、単純な解約返戻率です。1年目の解約返戻金はあくまで60パーセントであって、75パーセントも戻って来ません。保険契約時には実質返戻率ではなく、解約返戻率を見て判断をしましょう。法人向けの保険をしっかりと取り扱っている保険担当者や税理士のあいだでは、もはやこの実質返戻率を重視した販売方法をとっている人間はほとんどいません。残念ながら一部の保険担当者や税理士の中には、今もなおこういった古い(適切ではない)保険販売方法をとっている方がいらっしゃいます。今、提案されている法人保険が実質返戻率に着目した提案となっている場合は保険加入先を再度検討する必要があるかもしれません。

解約返戻率以外に判断材料とするべきポイントはありますか?

A. 出口(解約時)戦略(計画)があるプランかどうかを確認しましょう。

 どんな国家プロジェクトでも経済政策でも出口戦略が重要であるように、法人保険を活用した節税対策でも出口(解約時)を考えた計画が重要となります。法人向けがん保険長期平準定期保険のように保険契約継続に比例して、半永久的に解約返戻率が伸びていく商品であればまだしも、全額損金の定期保険は解約返戻率にピーク(山)がある商品ですから、解約時の出口戦略は非常に重要なものとなります。

 多くの保険担当者や税理士は「売上が落ちた時に保険を解約すれば良い」や「ピークになったら社長の退職金として使えばいい」などと提案をします。しかし、会社経営は生き物です。解約返戻金の貯まり具体に応じて都合よく法人の売上が下がるとは限りませんし、定期保険の解約返戻率がピークになったから会社を退職するなんて本末転倒です。

 弊社では、法人保険を使った節税対策のご相談を多くいただきますが「出口の計画を立てないまま加入してしまった法人保険がピークを迎え、どう対策を打てばいいのかわからない」といった相談も非常に多くいただきます。定期保険を導入する際は、出口戦略がしっかりとしたプランかどうかも見極めるようにしましょう。また、法人保険の活用プランの中には、将来の退職時期や保険の解約返戻金を使うあてがない場合でも、保険単体で出口戦略を計画していけるプランもございます。お気軽にご相談を頂ければ幸いです。

保険料額はどのように決めていけばいいですか?

A. 保険料の優先順位は最後。経営を圧迫しない、無理なく継続できる金額を設定しましょう。

 決算前に色々と試行錯誤して、それでもどうしても残ってしまう利益。全てを綺麗に経費にできれば何も問題はありません。しかし、節税対策の保険料は原則として毎年継続して同じ金額を支払っていくもの。そして会社に残ったお金を全て保険の予算とするわけにもいかないのも経営の難しいところです。保険への予算を決める場合、保険料の優先順位はあくまで一番最後で構いません。顧問税理士の先生とよく相談して、(無駄なものは買わずに)作れる経費や今期に入れられる損失を検討しましょう。そして最後にどうしても消せなくて残ってしまう利益の中で保険料の予算を割り振るということをおすすめします。

 保険料は原則として毎年同じ金額を継続して支払っていくことになります。ですから、今期だけの数字だけでなく、来期以降のこともよく考えて保険料額を設定する必要があります。途中で解約(もしくは部分的な解約)をすると、戻り率の低い状態で解約しなければならないなんてことも考えられます。保険料で本業である経営を圧迫してしまっては本末転倒ですから、無理のない範囲で継続して支払える金額を設定しましょう。

 もし翌年以降、会社経営が順調に推移すれば保険料を積みましていくことは可能です。徐々に会社の状況に合わせて保険料を増やしていくことをおすすめします。

経営(本業)を圧迫しては本末転倒です。
無理のない範囲で契約をスタートさせましょう。

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